日本小児科学会「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」

日本小児科学会「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」 言葉の遅れ 発達障害グレーゾーン

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さくら
さくら

3歳の息子は言葉の遅れがあり発達障害グレーゾーン、自閉症スペクトラムの特徴が強いです。

小さい頃から長時間のテレビ・スマホ視聴を本当に後悔しています。

日本小児科学会提言「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」

平成16年、日本小児科学会より「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」と提言がありました。

https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20040401_TV_teigen.pdf

提言

 1.2歳以下の子どもには、テレビ・ビデオを長時間見せないようにしましょう。
  内容や見方によらず、長時間視聴児は言語発達が遅れる危険性が高まります

  1. テレビはつけっぱなしにせず、見たら消しましょう
  2. 乳幼児にテレビ・ビデオを一人で見せないようにしましょう
    見せるときは親も一緒に歌ったり、子どもの問いかけに応えることが大切です。
  3. 授乳中や食事中はテレビをつけないようにしましょう。
  4. 乳幼児にもテレビの適切な使い方を身につけさせましょう。
    見おわったら消すこと、ビデオは続けて反復視聴しないこと
  5. 子ども部屋にはテレビ・ビデオを置かないようにしましょう。

小児科医,発達専門家からの相次ぐ指摘

言葉の遅れ、表情が乏しい、親と視線を合わせないなどの症状を抱えて受診する幼児の中に、テレビなどの長時間視聴している幼児に対し、視聴をやめると症状の改善が見られたと最近相次いで報告されています。

生後早い時期からテレビなどを見ていた子供が多いが、幼児期になってからテレビなどに子守されたり、DVDなどの繰り返し視聴で半年のうちに症例が進んだ事例もあり、長時間視聴の影響が危惧されています。

2003年当時でテレビの長時間視聴が自閉症スペクトラムと同じ症状を引き起こし、視聴をやめると改善された事例が多数あると報告されているのですね。

今は2025年ですから、22年前のお話です。

今はスマホやYouTubeもありますから、より大きい影響があると考えるのは容易なことですね。

長時間視聴は1歳6ヶ月時点における言葉の遅れと関係がある

乳幼児の発達へのテレビの影響を調べるため、2003年に3地域の1歳6ヶ月健診対象児1,900名に調査をしました。     
この結果、長時間視聴は1歳6ヶ月時点における意味のある言葉(有意語)の出現の遅れと関係があること、特に日常やテレビ視聴時に親子の会話が少ない家庭の長時間視聴児で有意語出現が遅れる率が高いこと、このようなテレビの影響にほとんどの親が気づいていないことが示されました。

今や核家族・共働きが当たり前の時代です。それに伴い、ワンオペ育児も多いですから、テレビやスマホに頼っている保護者の方も多いのではないでしょうか。

私もその一人でした。テレビやスマホにこのような影響があることも知らずに、「よくYouTubeに集中してくれているなぁ家事できて助かる!」と思っていました。

ディズニー英会話や進研ゼミを見せれば言葉が増えていろんなことを覚えてくれるから素晴らしい教材だと思っていたほどです。

だって、テレビやスマホの影響で自閉症の症状が出てしまうなんて、誰も教えてくれないのですから。

今は本当に後悔しています。

テレビのつけっぱなしをすると言葉の遅れが2倍の率に

視聴時間別に運動、社会性、言語の発達状況をみると、4時間以上の子ども(長時間視聴児)では4時間未満の児に較べ、有意語出現の遅れが高率であった(1.3倍)・ また、子どもの近くでテレビが8時間以上ついている家庭(長時間視聴家庭)の子どもで有意語出現の遅れの率が高かった、特に、長時間視聴家庭における長時間視聴児の有意語出現の遅れの率は短時間視聴家庭の子どもの2倍であった (図1)。 地域によっては、長時間視聴児に言語発達全般の遅れが認められた。


子どもが4時間以上テレビを見ている家庭,あるいはテレビが8時間以上ついている家庭では、食事中も食事以外のときも子どもにテレビを自由に見せている家庭が多かった。このような長時間視聴家庭では親の生活がテレビに偏って親子の関わりの時間や他の活動が少なく、長時間視聴児は子ども自身がテレビを見たがったり自分で操作したり、消すと怒るなどテレビ好きで、遊びがテレビに偏り易い傾向があると推察された。

驚愕する結果となっていたのですね、なんと、1日中テレビをつけっぱなしにしている家庭では、4時間未満の子供に比べて言葉の遅れが2倍の率だと!!!

テレビなどを一人で見せると言葉の遅れは2.7倍

視聴時の親の関わりが少ない長時間視聴児では有意語出現が遅れる率が顕著に高く、そうでない児の2.7倍に達していた(図2). 有意語の他、言語理解,社会性,運動能力にも遅れ傾向がみられた。従って、乳幼児にテレビ・ビデオを一人で見せてはいけない。

さらに、テレビなど視聴時に親が子供に話しかけもせず一人で見せてしまうと、言葉の遅れは2.7倍になったというのです。

子供の言語能力は一方的に聞くだけでは発達しない

子どもの言語能力は一方的に聞くだけでは発達しないことを認識すべきである。
テレビの健康影響について多くの親は視力への影響を心配しているが、言語発達への影響を心配している親は少なく、むしろ言葉や知識を教えるために見せている親もいた。
しかし、乳幼児の言語能力は大人との双方向の関わりの中で発達する。赤ちゃんは2ヶ月頃から機嫌が良い時によく発声するようになり、3ヶ月頃には人の怒りや優しい声などを区別して反応する。やがて喃語(言葉を話す前段階の声) を発するようになり、8~9ヶ月では聞き慣れた特定の言葉に反応したり、何か欲しい時に声を出して大人を呼んだりするようになる。この段階でも人との関わりが少ないと声の頻度や種類が少ないことが知られている。


10ヶ月頃からは大人の行動やものと言葉とを結びつけて理解するようになって言語理解が進み、ものと自分の発する音とも結びついてくる.1歳6ヶ月頃から大人の言葉を模倣するようになって語彙が急激に増加し、2歳になる頃から2語文を話すようになり、言語生活が確立していく・実体験を通して言葉を理解すること、子どもに分かり易く話しかけ、子どもの話をゆっくり聞いて応えることが大切である。今回の調査結果は映像メディアからの一方的な働きかけだけでは子どもの言語能力が発達しないことを裏付けている。



「言語発達への影響を心配している親は少なく、むしろ言葉や知識を教えるために見せている親もいた。」とありますが、はい、完全に私です。動画を見せれば勝手に言葉を覚えてくれると思っていました。

余談ですが、フラッシュカードも危険性があると言われています。それはまさに一方的な働きかけ、自然な言語ではなく、単語の覚えこませであるからだろうと思います。アスペルガー症候群になってしまった事例もあるとのことです。


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WHOが2019年に公表した5歳未満の子どもに対するガイドライン

WHOによると、子どもに画面を見せる時間(1日あたり)は、

0〜1歳は0分、

2歳以上は1時間以内が目安。

この時間は、テレビやスマートフォンの画面を見ながらじっとして過ごす時間や座ってゲームをしたりする時間のことを指しており、画面を見ながら身体を動かすような時間は含まれません。

いかがでしたでしょうか。

こんなにもテレビやスマホなどのメディア視聴が乳幼児の成長に影響があると言われてきたのに、私は全く知りませんでした。

息子が発達障害にならなければ今も知らなかったでしょう。いや、なっても知らない人は多いと思います。

知識として知っておくことに損はありませんから、多くの悩まれている保護者の方々に届いてほしい情報です。

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