
さくら
自閉スペクトラム症の子供には、LEGO(レゴ)がとてもいい、という話は有名ですが、それはなぜなのでしょうか。またレゴと同様の効果があるおもちゃも紹介します。
レゴが優れている理由
自閉スペクトラム症の子には、レゴが非常に優れた玩具であることは有名ですよね。では一体どのような点が優れているのでしょうか。
- 構造が明確で、見通しが立ちやすい(説明書通りに作れば必ず完成する)
- 手先の細かな動き(巧緻性)を養える
- 視覚的に理解しやすく、空間認識能力が高まる
- 完成したときの達成感が自信につながる 自分の好きなものに没頭できる
といった理由が挙げられます。
特にテレビやスマホ(などの視聴時間が長い場合は、『空間認識能力』が育っていない場合があります。
それを視覚優位の特徴がある自閉スペクトラム症の子にとっては遊びやすく、かつ、空間認識能力が高まるという点が非常に優れた玩具であると言われる所以かもしれないですね。
↓空間認識能力については、小説「アンナチュラル・自閉症」にも書かれています。


アンナチュラル 上: 小説・自閉症
アンナチュラル 上: 小説・自閉症
レゴクラシック
レゴクラシックは4歳から遊ぶことができます。自分で自由に組み立てることもできますし、ガイドブックに沿って作ることもできますよ。


レゴクラシックの基礎版もお忘れなく!

レゴデュプロ
レゴデュプロは大きめのブロックで、3歳以下のお子さんでも遊ぶことができます。

デュプロの基礎版

レゴに似た「組み立てる・構造化された」おもちゃ
レゴと同様に「組み立てて完成させる」達成感が得られやすく、視覚的に理解しやすいおもちゃです。
マグネットブロック(マグ・フォーマー、ピタゴラスなど)
- どんなおもちゃ?:磁石でカチッとくっつく、三角形や四角形のプレートです。
- おすすめポイント:レゴよりも少ない力で簡単にくっつけたり外したりできます。平面で図形を作るところから、立体的な構造物まで発展的に遊べます。磁石が引き合う感覚が心地よく、繰り返し遊びやすいのが特徴です。



LaQ(ラキュー)
- どんなおもちゃ?:小さなパーツを「パチッ」とつなげて、平面・立体・球体など様々な形が作れる日本製のブロックです。
- おすすめポイント:「パチッ」という音と感触が、はまったことが分かりやすく、心地よい刺激になります。レゴにはない「曲線」を作れるのが大きな魅力で、動物や乗り物などをよりリアルに表現できます。


パターンブロック
- どんなおもちゃ?:決まった形の木製(またはプラスチック製)のピースを組み合わせて、絵や模様を作ります。
- おすすめポイント:見本カードの上に直接ピースを置いていくことで、パズルのように遊べます。形の合成・分解の理解につながり、算数の図形の基礎的な感覚を養うのに役立ちます。



「論理的思考」や「プログラミング的思考」を育むおもちゃ
「こうすると、こうなる」という因果関係が明確で、試行錯誤を楽しめるおもちゃです。
玉の道(クーゲルバーン、キュボロなど)
- おすすめポイント:道を組み立てる論理的な思考力と、ビー玉が転がる様子を繰り返し見て楽しむ「常同性」がうまくかみ合います。ビー玉の転がる音や動きは、視覚や聴覚への心地よい刺激にもなります。
- どんなおもちゃ?:パーツを組み合わせてビー玉が転がる道を作るおもちゃです。


プログラミングトイ(コード&ゴー ロボットマウス、キュベットなど)
- どんなおもちゃ?:カードやボタンで進行方向などを指示し、ロボットをゴールまで導きます。
- おすすめポイント:「指示した通りに動く」というルールが明確で、失敗しても「なぜ失敗したか」が分かりやすいのが特徴です。論理的に考える力や、見通しを立てる力を遊びながら自然に育むことができます。



「手先の器用さ」と「集中力」を高めるおもちゃ
指先を使った細かな作業に集中することで、気持ちが落ち着いたり、達成感を得られたりします。
ひも通し
- どんなおもちゃ?:ビーズやプレートの穴にひもを通していきます。
- おすすめポイント:単純作業の繰り返しですが、ゴールが明確です。集中力を高め、手と目の協応(目で見た情報に合わせて手を動かすこと)を養います。ビーズの形や色も楽しめます。


パズル
- どんなおもちゃ?:定番のジグソーパズルや、形をはめる型はめパズルなどです。
- おすすめポイント:「ピースがはまる場所は一つだけ」というルールがASDのお子さんにとって非常に分かりやすいです。完成という明確なゴールがあり、高い達成感と自己肯定感につながります。好きなキャラクターや乗り物などの絵柄を選ぶと、より意欲的に取り組めます。



大切なポイント
- まずはお子さんの「好き」を観察する:何よりも本人が「面白そう!」と感じることが大切です。組み立てるのが好きなのか、並べるのが好きなのか、転がすのが好きなのか、お子さんの興味の方向性を見つけてあげましょう。
- 簡単なものから始める:難しすぎると、やる気を失ってしまうこともあります。「少し頑張ればできる」レベルから始めて、成功体験をたくさん積ませてあげることが自信につながります。
- 大人が一緒に楽しむ:最初は「こうやって遊ぶんだよ」と見本を見せたり、一緒に作ったりすることで、遊び方が分かりやすくなります。
ちなみに、自閉スペクトラム症の息子は、レゴデュプロもレゴクラシックも持っていて、毎日楽しそうに遊んでいます。
保育園では園児にラキューが大人気なんだそうです!
ぜひお子さんの興味に合った新しいおもちゃとの出会いを探してみてください。
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